女性の自信を引き出す美容室「MY hair design」を訪ねてみた。





女性が自分に自信を持てるよう、最新のトレンドと高い技術力を提供する美容サロンだ。今回は代表取締役の三角 祐太(みすみ ゆうた)さんに、美容師を志したきっかけや経営哲学について伺った。
- 中学生の頃の感動から美容師の道へ
- 女性の自信につながる美容を大切に
- 美を通じて自分を表現する楽しさを提供
- 業界の「働き方」にも新しい風を
- 人柄を重視した組織づくり
①中学生の頃の感動から美容師の道へ
MY hair designは、岡崎市欠町にある美容室で、髪質改善やデザインカラーに特化した施術が人気だ。
2022年から2024年まで、3年連続で美容業界の権威ある「KAMI CHARISMA」賞を受賞しており、技術力とセンスの高さが評価されている。「なんだか最近、髪の調子がイマイチ…」「新しい自分に出会いたいけど、どんな髪型が似合うかわからない…」そんな悩みを抱えている女性にぴったりのお店なのだ。
店名であるMY hair designにはどのような意味が込められているのだろうか?
「MYは自分のイニシャルなんです。そして、”自分”の気持ちが高まる場所、”自分”に自信が持てる場所ということで「MY」という言葉を使いました。お客様にとって“私のお気に入りの美容室“と思ってほしいという願いも込めています。」
そんな三角さんが美容師を志したのは中学生の頃だった。
「僕はいつも母親について美容室に行っていました。床屋に行ったことがない、珍しい子どもだったんです。」
小学生の頃は、いつもお母様が三角さんの髪型をオーダーしていたという。しかし中学生になりお洒落に目覚めた三角さんは、初めて自分の希望の髪型を、行きつけの美容師の方にオーダーした。
「当たり前かもしれませんが、本当にオーダー通りの髪型になったんですよ。すごい技術だなって感動しました。もともと昔から通っていて、好きな美容師さんだったんで、本当にうれしかったんです。」
この感動体験が、三角さんの原点となった。そして中学2年生のときに手に職をつけたいという気持ちが芽生え、美容師になることを決意する。
その後、昼間は見習いとして美容室で働き、夜は通信制の学校で勉強する日々が続いた。
そして学校を卒業し、晴れて美容師になった三角さん。しかし待っていたのは厳しい下積みの日々だった。
「当時の初任給は、15万円ほどでした。そこから必要な道具代などが引かれるとほとんど手元に残らないんです。でも、憧れの世界に入れたことが嬉しかったので、何とか続けていけました。」
修行時代は厳しいことも多かったが、「夢だった美容師として成功したい」という想いが原動力となった。23歳の時点で月収は平均を優に超えた。三角さんは同期をリードするキャリアを築き、東京や名古屋のサロンで経験を積み、独立への準備を着々と進めていったのだ。
②女性の自信につながる美容を大切に
26歳で独立し、MY hair designをオープンした三角さん。一貫して大切にしているのは「美容を通して女性に自信を与える」ということだ。コンセプトには人一倍のこだわりがある。最初は『可愛いは、作れる』をコンセプトとしていたそうだ。
「オープン当時は、なかなか流行の最先端を追うサロンが周囲にはありませんでした。流行の最先端のサロンに行きたい女性は、名古屋などの都会まで足を運ぶ必要があったのです。ですから「遠方まで行かずともお客様のすぐそばにありますよ」ということで、名古屋に負けないトレンドと、最新の一流の技術、メニュー、薬剤が手に入る郊外の一流のサロンを目指しました。」
そして現在、三角さんは、美容のプロという立場から、女性が自分に自信を持てるようサポートしている。
「日本人は特に自分と他人を比べてしまうところがあると感じています。自分のことが好きですか?と尋ねても、イエスと答えられるのは10%前後ではないでしょうか。そんな人達に、美容の力で自信を取り戻してほしい。コンプレックスを改善することで、下を向いていた人が前を向けるようになるんです。そういう瞬間に立ち会えるのが、美容師の醍醐味だと感じています。」
そんな想いは法人名にも表れている。会社名は「LOKE」。「LOVE」と「LIKE」を組み合わせた造語だ。この社名には「自分を愛そう」というメッセージが込められている。
この「自分を愛そう」は顧客向けだけでなく、社内や関わるすべての人に伝えたいメッセージでもある。
幸せをデザインするという理念のもと、従業員も顧客も豊かになるサロンを目指しているのだ。


③美を通じて自分を表現する楽しさを提供
MY hair designでは積極的にサロンワークや作品撮りを行い、その様子や成果をSNSなどで発信しており、サロンの活気やクリエイティブな雰囲気を伝えている。
さらに自社で企画・制作したオリジナルフリーマガジン『THREE』を発行している。より深くサロンのコンセプトやスタイル、スタッフの想いを伝えている。お客様にとってサロンの個性を理解する上で貴重な情報源だ。このような独自のメディアを持つことで、新たなファンを生み出すきっかけとなっているのだ。
MY hair designは顧客にヘアスタイルの提案をするだけでなく、お客様の新しい魅力を引き出す場を提供している。
「テクニックや仕上がりで喜んでいただくことはとても大事にしています。お客様がきれいになることで気持ちが明るくなったり、コンプレックスが改善されたりする。その変化を撮影で形にすることで、さらに自信につながるんです。」
三角さんが撮影に力を入れる背景には、単に技術力をアピールするだけでなく、お客様自身が美しくなることで自信を持ち、自分を表現する楽しさを知ってほしいという願いがある。ヘアスタイルを通じて、お客様の魅力を最大限に引き出し、喜びや感動を分かち合いたいと考えているのだ。
オープン当初は20代のお客様が9割を占めていたMY hair designだが、現在は少しずつ年齢層が広がっているという。
「ご家族を紹介してくださるお客様が増えています。ご紹介していただけるということは、うちの技術やサービスに満足していただけているという証拠だと思いますので、とても嬉しいですし、光栄です。」
現在、男性の新規客はメインサロンでも制限しており、女性が安心して過ごせる環境づくりにこだわっている。
④業界の「働き方」にも新しい風を
美容業界といえば、長時間労働や厳しい下積み修業をイメージする人も多いのではないだろうか。実際に、以前はそのような現場が当たり前だったという。しかし三角さんは、業界の働き方にも新しい風を吹き込んでいる。
「今は美容師の働く環境がとても良くなりました。初任給も20万円を超えて他の業種と同じ水準になってきました。練習も営業時間内に手が空いたタイミングなどできるようになってきています。うちではレッスンの日を設けていて、その日は営業時間を短縮しています。」
スタッフの成長をサポートするため、カットモデルも平日の営業時間内に入れられるようにするなど、働きやすい環境を整えられるように工夫を凝らしている。
「営業中でも手が空いていたら練習するなどして無駄な時間がないようにしています。僕は、練習も仕事の一環だと考えています。技術が向上すれば、お客様のためになることなので、柔軟に対応しています。」
美容業界の労働環境改善の背景にあるのは、美容師の人手不足だ。
「美容学校の卒業生は昔は年間4万人くらいいましたが、今は1万6千人を切っています。さらにその中で美容業界に就職するのは半分程度。1年続く人はその半分と言われています。求人難は当たり前の状況なんです。せっかく手に職をつけて美容師になったのだから、結婚・出産などライフステージが変わっても続けられる仕事であってほしい。そのためには雇用側がいろいろ考えて環境を整えていく必要があります。」
働きやすい環境づくりへの取り組みは、スタッフの満足度を向上させ、それがスタッフの幸せ、そして担当するお客様の幸せへとつながっている。
⑤人柄を重視した組織づくり
MY hair designの最大の強みは何か。そう尋ねると、三角さんはこう答えた。
「人柄ですね。自分で言うのもなんですが、うちで働いているスタッフはみんな人柄が良いと思います。」
採用でも、技術や知識はもちろん大切だが、人間性をより重視しているという。
「技術は後からでも習得できます。お客様とのコミュニケーションに、人柄の良さが自然と出るので、人間性を見ています。」
スタッフの教育にも、とても力を入れている。
「注意や指導だけではなかなか変わるものではありません。朝礼や終礼を使ったり、別途時間をとって根本の話をしたりして、自発的に気づくようにうながしています。」
最後に、三角さんの座右の銘を伺ってみた。
「座右の銘は『努力は尊いが、最も尊いことは正しい選択』です。努力って、美学にしやすいんです。でも努力しても成果につながらないこともあります。正しい選択をすることが大切だと思っています。」
女性の自信を支え、業界の働き方を変える。MY hair designの挑戦は、美容の力で人を幸せにすることの可能性を広げている。もし「自分に自信が持てない」と感じていたり、そんな人が周りにいるなら、MY hair designを訪れてみてはいかがだろうか。きっと新しい自分と出会えるはずだ。

詳しい情報はこちら