塩梅を大切に、心地よいひとときを提供する「赤い屋根のカフェ take one」を訪ねてみた。





目印となる赤い屋根と、ゆったり時が流れる空間で、手作りのランチやモーニングを提供する、心温まるカフェだ。今回はオーナーの竹市 みき(たけいち みき)さんにお店の名前に込めた想いや、オープンに至るまでのエピソード、未来への展望についてお話を伺った。
- 店名に込めた意味
- 料理教室から飲食店への道
- 素材から丁寧に
- ゆったりと過ごせる空間を
- 新たなことに挑戦
- 塩梅を大切に
①店名に込めた意味
「take one って、私の名前なんですよね。takeカタカナ読みする「たけ」oneは日本語で「いち」なので。」
竹市さんは少し照れくさそうに笑いながら話してくれた。
「お客様の中には気づかれる方もいらっしゃるんですが、意外と気づかれない方も多いんです。」
カフェの名前は、オーナー竹市さんの名字「竹市(たけいち)」に由来する。ただし、単に名前をそのまま使ったわけではない。
「横文字だけだと覚えにくいかなと思って、『赤い屋根のカフェ』とつけたんです。」
実は、この「赤い屋根」には、幼少期の思い出が重なっている。
「子供の頃、住んでいた家を“青い家”って呼んでいたんです。それが、とっても記憶に残っていました。なので、自分がカフェをするなら目印になる物が欲しいと考えて赤い屋根にしよと思ったんです。」
さらに、竹市さんはこう続けた。
「“あそこの赤い屋根のカフェ行こうよ”って、名前が分からなくても場所が分かりやすい方がいいかなと思ったんですよね。」
コンセプトはシンプルだけれど、そこには“訪れる人に迷わせず、気軽に立ち寄ってほしい”という竹市さんの心遣いが込められている。

②料理教室から飲食店への道
カフェのオープン前、竹市さんは中日文化センターの料理教室でアシスタントを務めていた。
「飲食業ではなく、最初は料理教室のアシスタントをしていました。栄養士の資格は持っていたんですけど、先生として教えるわけではなく、講師の補佐をしていました。生徒さんのお世話とか、準備とか、裏方の仕事が中心でしたね。」
その後、自然食の料理教室や飲食店などで経験を積んだ竹市さんは、次第に「自分のお店を持ちたい」という想いを抱くようになる。
そんな時、旦那様と出会い、人生が大きく動き始めた。
「旦那さんはライブバーを経営してたんです。調理師の資格も持っていて、料理もお酒も提供していたので、自分のお店っていいなぁ〜って思ったんです。」
竹市さんの地元の稲沢市に戻り、「赤い屋根のカフェ take one」 をオープンすることに決めた。
「お店を始めるなら、自分たちのこだわりを実現したいと考えたんです。なので、理想のお店を建てようと決めました。」
こうしてお二人の夢やこだわりが詰まったお店が完成した。


③素材から丁寧に
「赤い屋根のカフェ take one」の最大の特徴は、丁寧に作られた手作り料理だ。
「基本的に手作りにこだわっています。ベーコンやサラダ用のお塩も自分たちで作ってるんです。」
色々な食材に燻製をかけたり、お塩に乾燥させたハーブや柑橘の皮で香り付けしたものを、竹市さん自らが仕込んで使用している。
「ソーセージを作る機械もあるんですよ。お肉屋さんなどで材料を仕入れて、ランチ用にソーセージを作っている時もあります。作るのは楽しいですし、とっても美味しいんです。」
ランチのメニューは週替わりで、季節の食材を活かした料理が並ぶ。
「最近食べて美味しかったものを参考にすることもあります。スタッフにも『最近何食べた?』って聞いて、アイデアをもらったりします。」
畑で野菜が採れた時は使用しているそうだ。
「以前は田植えから自分たちでしていたんですが、今は農協さんに委託しています。それでも、できるだけ地元のものを使いたいという想いは変わりません。完璧に自然食というわけではないけれど、できる限り安心できる食材を選んでいます。」
竹市さんの言葉には、食に対する誠実さが感じられる。


④ ゆったりと過ごせる空間を
「赤い屋根のカフェ take one」は、落ち着いた空間で、ゆったりと食事や会話を楽しめる場所だ。
「お客様は、やっぱり女性が多いですね。ランチの時間帯は9割以上が女性ですが、モーニングの時間帯だと、男性お一人でも来られることが多いです。家族で楽しまれる方もいらっしゃいますよ。」
竹市さんはお客様にゆったりと楽しめる空間を大切にしているという。
「どなたにも、ゆったりとした時間を過ごしていただきたいと考えています。もちろん店内が混み合っている時は賑やかな雰囲気になりますが、それぞれが楽しく会話をしたり、料理を楽しんでいただければ嬉しいですね。」
お一人でも、ご夫婦でも、仲間同士でも美味しい料理を食べながら会話を楽しむ。そんな空間が「赤い屋根のカフェ take one」だと感じた。
⑤新たなことに挑戦
今後も挑戦したいことがたくさんあるのだと話してくれた。
「今後は、自分で作っているマスコットを販売したいんです。準備することや考えることがたくさんあるので、時間はかかりますが販売できるといいなと思っています。」
竹市さんは、手作りのマスコットキャラクターを販売する構想を抱いている。
さらに、竹市さんにはもう一つの夢がある。それは“農業” だ。
「水耕栽培をしてみたいんです。私の祖父も両親も畑をしていた影響かもしれません。」
農業への想いは、竹市さんの“自然食”への関心とも繋がっている。
「両親も高齢になって、畑仕事は難しくなってきているので、今後は自分たちにもできることを増やしていきたいと考えています。」
ただ、農業には時間的な制約もある。
「子どももまだ手のかかる年齢だし、天候に左右されたりするので、なかなか両立は難しいんですよね。」
それでも、竹市さんは“塩梅よく”自分のペースで夢を追い続けている。
⑥塩梅を大切に
最後に座右の銘をうかがってみた。
「座右の銘と聞かれるなら……“塩梅”ですね。」
竹市さんは少し考えたあと、ふっと微笑んだ。
「こだわりすぎず、でもこだわらなさすぎず。硬すぎず、緩すぎず。そのちょうどいい“塩梅”が好きなんです。完璧を求めすぎると疲れちゃうし、逆に手を抜きすぎると良いものはできない。そのバランスが大切なんですよね。」
料理においても、経営においても、竹市さんの“塩梅”へのこだわりが、お店全体の心地よさに繋がっているのだろう。
「赤い屋根のカフェ take one」は、竹市さんのこだわりが詰まった、心温まる空間だ。手作りの料理、落ち着いた空間、そして未来への夢。すべてにおいて、“ちょうどいい”バランスが保たれている。
「これからも、自分たちができる範囲で、心地よい場所を提供していきたいですね。」
竹市さんのその想いが、これからも「赤い屋根のカフェ take one」の未来を優しく照らし続けることだろう。

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