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おいしい!楽しい!セレクトショップ「UN PEU Labo」を訪ねてみた。

おいしい!楽しい!セレクトショップ「UN PEU Labo」を訪ねてみた。
JESSE <small>ジェシー</small>
JESSE ジェシー
はぁ〜プレゼントを選ぶのって難しいなー。
MEI <small>メイ</small>
MEI メイ
「UN PEU Labo」で選んでみたら?予算に合わせて相談にものってくれるわよ。
JESSE <small>ジェシー</small>
JESSE ジェシー
そのお店知ってる!瓶に入ったピクルスがおいしいんだよね!この間も買って飲んだんだよね〜今度メイも一緒に飲もうよ!
MEI <small>メイ</small>
MEI メイ
・・・ピクルスは美味しいけど…飲み物だっけ?・・・
この記事は約7分で読めます。
名古屋市昭和区にある「UN PEU Labo」をご存知だろうか。
ドール作家でもある店主・佐藤 純美(さとう すみ)さんが手作りした食品の瓶詰め「BIN DELI」や、センスが煇るクリエーターが手掛けた雑貨を集めたセレクトショップだ。佐藤さんに開店までの道のりや大切にしている想いを伺った。
今回のツムギポイント
  • ドールハウス作家からギャラリーカフェオーナーへ
  • ギャラリーカフェでランチを提供
  • コロナをきっかけに事業を転換
  • おいしいと楽しいをテイクアウトする
  • トライアンドエラー、楽しみながら挑戦を続ける

①ドールハウス作家からギャラリーカフェオーナーへ

 

フランス語で「少し」という意味の「UN PEU」と、実験室を意味する「Labo」を組み合わせた屋号を持つ「 UN PEU Labo」。現在に至るまでの道のりは、決して平坦なものではなかった。

 

佐藤さんの原点は、ドールハウス作家としての長年の活動にある。ドールハウスは、建物や部屋をミニチュアサイズに縮小して再現したもの。

 

ハマったきっかけは、娘さんへのプレゼントとして、親戚からシルバニアファミリーをもらったことだった。

 

「それ以来、おじいちゃんやおばあちゃんがお誕生日やクリスマスにシルバニアファミリーの小物をくれるようになったのです。どんどん増えてきたので、お家をつくることにしました。」

 

そして木工・裁縫・粘土細工など、様々な技術を必要とするドールハウス作りに魅了されていった佐藤さん。3年間の本格的な修行を経て、独自の教室を開設した。精巧なドールハウスよりも、雑貨として気軽に家に置けるものを目指し、ワインの箱を使った小部屋や壁掛けのミニチュアなど、独自の作風を確立していった。

 

教室の運営を経て、その後は雑貨制作へと軸足を移していく。さまざまなイベントを開催して感じたのは、一日限りのイベントでは、本当に来てほしい人になかなか来てもらえないというもどかしさだった。

 

「いつ来ても作品に触れられて、クリエイターの方と話したり、ものづくりの話を聞いたりできるような、人とモノをつなぐ場所を作りたいと考えました。」

 

この想いが、ギャラリーカフェを開業する原動力となる。佐藤さんは資金を貯め、2013年にギャラリーカフェをオープン。作品展示や販売、ワークショップなどを行い、クリエイティブな空間をつくっていったのだ。

 

②ギャラリーカフェでランチを提供

 

満を持して開業したギャラリーカフェ。しかし、そこには予想外の展開が待っていた。

 

区役所に近い立地ということもあり、ランチを求めるお客様が多く訪れたのだ。

 

「カフェと書いているので、ランチも提供していると思われるんです。でも、提供はしていないので、ランチはやっていないと答えると、当然ですが、くるっとそのまま踵を返して出ていってしまうんです。」

 

「これまで飲食店で働いた経験もなく、家族のためにしか料理を作ったことがなかったので、お客様に料理を提供することに抵抗がありました。」

 

そのため、当初は佐藤さんはランチの提供に消極的だった。

 

しかし、当時はお店の近隣に女性が行きたくなるようなお店が少なかった。佐藤さんは彼女たちのランチ需要に応えるため、日替わりのワンプレートランチを始めることにしたのだ。

 

「喫茶店でも、オムライスやスパゲッティを出すお店がありますよね。凝った料理はできなくても、それぐらいだったらできるかもって思いました。なので、ワンプレートで色んなおかずを盛って、スープなどがつく日替わりのランチを始めたんですよ。」

 

このランチが大ヒット。毎日12時になると大勢のお客様が来店し、1250分には混雑が収まるという状況が続いた。

 

無農薬野菜を使用した日替わりメニューは、特に主婦層から高い支持を得た。

 

「主婦の方は、毎日メニューを考えるということが、どれだけ面倒で手間がかかるかというのを知っています。ですので、すごくありがたいと通ってくださる方が増えてんです。」

 

しかしランチ営業は、佐藤さんの時間とエネルギーを大きく奪うこととなる。24時間どころか休日まで献立を考えることに費やすようになる。そして本来の目的であったギャラリーの運営や、自身のものづくりの時間を取れなくなってしまったのだ。

 

「私は何のためにお店を始めたんだろう」という疑問が、佐藤さんの中に芽生えていった。

 

③コロナをきっかけに事業を転換

 

そんな佐藤さんにとって、コロナ禍は大きなターニングポイントとなった。2021年、佐藤さんは店を新しい場所に移し、カフェ営業を辞めて、新しいお店「UN PEU Labo」をオープンしたのだ。

 

店名の「UN PEU(アン プゥ)」はフランス語で「少し」という意味で、一人で作り出せる「ほんの少しのもの」という意味が込められている。移転を機に工房がプラスされ「UN PEU Labo」となった。

 

店内でマルシェのようなイベントを開催し、さまざまなクリエイターやフードユニットと共に店を盛り上げていた。また、佐藤さんは「BIN DELI」というオリジナル商品の開発に注力する。

 

BIN DELIは季節の野菜や果物をソースやジャム、ドレッシング、シロップなどにして瓶に詰めたもの。自家製タルタルソースをつくれるピクルスなど、カフェメニューの味をお家で手軽に再現やアレンジできるようになっているのだ。

 

そして佐藤さんは、新しい商品を知ってもらうための戦略として惣菜の販売を始めた。

 

「材料や製法にこだわっている分、BIN DELIは普通のスーパーで買う調味料よりも少し高めになっています。味もわからない、おいしいかどうかもわからないのに、すぐ買う人はなかなかいません。それをどうやって広めていこうかなと考え、作ったお惣菜を味見してもらうようにしたのです。食べてもらい、気に入ってもらったら、BIN DELIを買ってもらえるだろうと思って、お惣菜の販売を始めました。夕食のもう一品として好評でした。」

 

さらに朝はマフィンの提供も始めた。

 

「カフェのときは、何も食べずに出ていく人はいなかったのですが、小売業の場合は買わずに出ていく人がいるという現実を目の当たりにしました。老若男女みんなに需要があって、楽しく食べられるものは何だろうと思って考えた結果、米粉のマフィンで、キーマカレーや卵サラダなど、朝ご飯になるもの、栄養があるものにしました。」

 

このマフィンも大当たり。しかしマフィンは日持ちがしない。毎日、朝早くから仕込みをして、マフィンを焼いていた佐藤さんは、無理が祟りついに体調を崩してしまった。

 

これらの経験を通じて、佐藤さんは自分の強みや、本当にやりたいことは何なのかを見つめ直した。

 

「やっぱり物を作りたい。ものづくりをして、人が集まる場所を作りたい。人と物とつなぐ場所を作りたい。」

 

そして佐藤さんは、自分の原点に立ち返ることにした。

 

④おいしいと楽しいをテイクアウトする

 

挑戦と試行錯誤の上、佐藤さんが見出したのは「ギフトに特化する」という方向性だった。

 

「お客様の予算や好みをお聞きして、セレクトしてラッピングするというのが、すごくやりがいがありました。自分に合っているなと感じたんです。」

 

特に人参、トマト、ピクルス、キュウリ、レンコンといった野菜の色や形を活かしたピクルスなど、見た目がお洒落で健康にも配慮したBIN DELIは、もともとプレゼントとしても選ばれることが多かったのだ。

 

そこでギフトに焦点を当て、お店の個性を際立たせ、より多くの人に喜んでもらえる店づくりを目指すことにした。

 

「どんな人にも、ギフトが必要になってくる場面があります。そこで、うちを選んでくれればいいな、お役に立てればいいなと思っています。」

 

UN PEU Laboでは、クリエイターの作品とBIN DELIを贈る相手の予算や贈られる相手の好みに合わせてカスタマイズできる。贈る側も贈られる側も、優しい気持ちになるギフトだ。

 

最近、お孫さんが生まれたという佐藤さん。実は以前ベビーブランドのネットショップを運営していたこともあり、また赤ちゃん向け、子供向けのものづくりもしていきたいと考えているそうだ。

 

⑤トライアンドエラー、楽しみながら挑戦を続ける

 

UN PEU Laboの現在のコンセプトは『おいしいと楽しいをテイクアウトするセレクトショップ』だ。

 

「実は常連のお客様が『おいしいと楽しいをテイクアウトするセレクトショップ』というキャッチコピーをつけてくれたんです。「あ、それだ!」ってピンと来ました。おいしいと楽しいを、ぜひお客様に持ち帰っていただきたいと思っています。」

 

カフェ、お惣菜、マフィン……さまざまなトライアンドエラーを繰り返しながらも、前向きに常にお客様が楽しめることを考え、ビジネスを進化させてきた。

 

「二転三転、いろいろなところにぶつかりながら方向転換を繰り返してきました。でもその手探りのプロセスも含めて、自分の人生だと思って楽しんでいます。」

 

今後も、自身の得意なことを活かしながら、関わる人みんなが楽しめる場を提供したいと考えている。

 

佐藤さんの経営哲学は明確だ。「毎日の暮らしを11秒楽しく過ごす。自分が楽しければ、必ずその楽しんでることは人に伝わる」この考え方が根底にある。

 

「イベントを企画するときも、お客様がどういう風になったら楽しいかだけではなく、自分も含めて、一緒にやる仲間が楽しいかを大切にしています。自分たちが楽しければ、絶対お客様にもその楽しさが伝わるはずだと信じています。」

 

さらに新たな企画も温めているそうだ。

 

「年配のカップルのための小規模な結婚式やパーティーという企画も構想しています。」

 

この取り組みも、広い意味での「ギフト」の一環だといえそうだ。BIN DELIは商標も取得。「目指せ法人」を目標に掲げている。

 

更なる進化を遂げようとしているUN PEU Laboの今後から、ますます目が離せない。大切な人への贈り物を探しに、ぜひ一度訪れてみてはいかがだろうか。

 

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