飲食業
稲沢市

スパイスの香りで元気と笑顔を届ける「あおぞらカレーパン」を訪ねてみた。

スパイスの香りで元気と笑顔を届ける「あおぞらカレーパン」を訪ねてみた。
JESSE <small>ジェシー</small>
JESSE ジェシー
やっぱり寒いときには辛いカレーパンと温かいコーヒーが1番だね!
MEI <small>メイ</small>
MEI メイ
そうね〜でも夏は夏で「暑いときは辛いカレーパンとビールに限るな!」って言ってたわよね。
JESSE <small>ジェシー</small>
JESSE ジェシー
・・・つまり1年中カレーパンはうまいってことなんだよ!
MEI <small>メイ</small>
MEI メイ
・・・本当に調子いいんだから・・・でも、その気持ち私も分かるわ♪
この記事は約7分で読めます。
稲沢市にある「あおぞらカレーパン」をご存じだろうか。
国産小麦100%の生地を使用し、スパイスから作るカレーをぎっしり詰め込んだカレーパンを提供しているお店だ。今回は代表の不破 大輔(ふわ だいすけ)さんに、お店を開いたきっかけや食に対する想いをうかがった。
今回のツムギポイント
  • 幼少時の体験が食の道を選ぶきっかけに
  • 後悔したくない、小さくはじめたカレーパン専門店
  • シャキシャキごぼう、スパイスと具材にこだわる
  • 国産小麦に米油、油ものだからこそ身体に良いものを
  • 稲沢のカレー文化を盛り上げていきたい

①幼少時の体験が食の道を選ぶきっかけに

 

不破さんは、大手のベーカリーに約6年間勤務した後、独立して2022年に「あおぞらカレーパン」をオープンさせた。ホームページのかわいらしいクマのイラストが印象的だ。

 

なぜ「あおぞらカレーパン」という名前にしたのだろうか?

 

「お店の名前は、みんなに覚えてもらいやすいものにしたいと考えていました。お店の名前はどうしようかなと悩みながら散歩していて、ふっと空を見上げたら、パンのようなフワフワの雲があったんです。そこから、くもパン…そらパン…あおぞらカレーパン……あ!いいかもと思ったのがきっかけなんです。」

 

よいアイディアは、ふとしたときに訪れる。明るく暖かいイメージで、お店の雰囲気にぴったりだ。

 

高校の調理科を卒業した後、専門学校で製菓を学んだという。かなり早い段階で自分の進路を絞り込んでいる。幼少の頃から、食にかかわる仕事に就きたかったのだろうか?

 

「そうなんです。当時はまだパン屋と決めていたわけではありませんが、何らかの形で食にかかわりたいと考えていました。実は僕は7歳のときに大きな病気をして、手術と入院を経験しました。そのため、しばらくご飯を食べられず、ずっと点滴を受けていた期間があったんです。その時に給湯室から、食パンをトースターで焼く時の香ばしい匂いが風に乗って流れてきて、「早く食べたい!」と思っていたんです。その後ようやくご飯を食べる許可が下りて、久しぶりにジャガイモのスープを飲んだときに、子どもながらに感動したんですね。その体験がずっと心の中に残っていたので、自然と食の道を選びました。」

 

調理系の高校、そして製菓の専門学校を卒業した、不破さん。しかし、すぐに食の道を選んだわけではなかったという。

 

「いろんな経験をしたかったので、食品の物流関係の仕事を選んだんです。ただ、仕事を続ける中でやはり直接お客様の喜ぶ顔が見たいなと強く思うようになったんです。その後、縁があってパン屋で働くことになったのですが、そこのパンがとてもおいしかったのもパン屋を選んだ決め手でした。」

 

②後悔したくない、小さくはじめたカレーパン専門店

 

パン屋で働き始めて、最初の1年は販売、その後は一通りパンづくりの工程を経験した。大手チェーン店ながら、スタッフが商品を試作する機会にも恵まれ、その経験に鍛えられたという。

 

パンづくりを経験した後、独立してあおぞらカレーパンを開店した。しかし、いろいろなパンがある中、なぜカレーパンにしたのだろうか。

 

「その会社に入社したきっかけは、そこのカレーパンが美味しかったからでした。しかし途中で方針がかわり、カレーパンの中に入っていたカレーも変わってしまったのです。ちょうどその時にあるカレーの本と出会い、このカレーをパンに入れたら美味しいんじゃないかと思いました。」

 

そして独立に向けて動き出した。自転車が趣味という不破さんは、木曽川沿いの美しい景色が見える場所を中心に物件を探し、現在の場所を見つけた。

 

しかし、大手ベーカリーでそのまま勤め続ける選択肢もあっただろう。30歳を超えての独立、不安はなかったのだろうか?

 

「ありましたよ。でも、やらなかったら死ぬ時に後悔するんだろうなと思いました。また、国産牛ステーキ丼専門店の佰食屋(ひゃくしょくや)のオーナーの方が「ダメだったら会社員に戻ればいい」とインタビューで語っていて、その通りだなと感じたのもあります。ただ、さまざまな種類のパンが並ぶベーカリーを開業するには多額の資金がかかるんです。なのでまずは小さく始めるのがいいかなと思って、カレーパン専門店にしたんです。」

 

一般的なベーカリーの開業資金は、立地にもよるが1000万から3000万かかるという。カレーパンに絞ることで、設備費・材料費・人件費を抑えられる。

 

また「あおぞらパン」も良いが、「あおぞらカレーパン」の方が印象に残りやすい。小さく始めてカレーパン好きのお客様の心をがっちり掴む、賢い戦略といえるだろう。

 

③シャキシャキごぼう、スパイスと具材にこだわる

 

「あおぞらカレーパン」のコンセプトは「食べて元気になるカレーパン」だ。外はサクサク、中はジューシーなカレーパンは、ほおばると身体の中からぽかぽか温まり、元気がわいてくるのだ。

 

お店の定番商品は、高熊スパイスカレーパン。国産小麦100%を使っており、安心して食べられる。厳選されたスパイスだけでなく種子島の粗糖を用いて、辛いだけではない豊かな味わいを生み出している。カレーパンは脂っこいからと敬遠する人もいるかもしれないが、米油100%でカラっと揚げられており、冷めても美味しくいただけるのだ。

 

また「ごろっシャキごぼうのキーマカレーパン」も大人気の商品。ゴロゴロとしたごぼうの、シャキシャキとした食感を楽しめる。

 

カレーが苦手な人や、小さいお子さん向けに「みんなのカレーパン」が用意されているのもうれしい。そういえば「辛くないカレーパン」は、ありそうでなかなかなかったりする。

 

これら3つに、「Wチーズカレーパン」を加えた4種食べ比べセットも用意されている。初めての方はこちらを選ぶのがよさそう。大人から子どもまで、家族で楽しめるラインナップが、あおぞらカレーパンの魅力なのだ。

 

ちなみに「ごろっシャキごぼうのキーマカレーパン」は、2022年のカレーパングランプリのキーマカレー部門の本選にも出場している。

 

そんな全国区レベルのカレーパンを食べられるのも、あおぞらカレーパンの強みと言えるだろう。しかし、なぜ具材に「ごぼう」を選んだのだろうか?

 

「あおぞらカレーパンを始める前に、お店でいろいろカレーの研究をしていました。ある日、冷蔵庫をのぞいてみると、ごぼうとひき肉と、いろんなスパイスだけがあったんです。ごぼうは香りが強い食材なので、香りが強いスパイスと組み合わせたら面白いかなと考えて、改良を重ねて今の形になりました。」

 

あの有名なコカ・コーラは、もともと頭痛薬のシロップを水で薄めるつもりが、炭酸水で薄めてしまったのが生まれたきっかけだという。「ごろっシャキごぼうのキーマカレーパン」も、まさにそんな偶然が生み出したものだった。もちろん、不破さんのたゆまぬ研究があったからこそ、偶然をチャンスに変えることができたといえるだろう。

 

④国産小麦に米油、油ものだからこそ身体に良いものを

 

辛くない「みんなのカレーパン」についても、商品への想いをうかがってみた。

 

「一般的なパンは生地に卵や乳製品を使っているので、アレルギーを持ったお客様から食べられないという声をうかがっていました。当店のパンは、生地に乳製品も卵も使っていません。それなら、辛いものが苦手な方でも食べられるマイルドなカレーパンをつくってみようと思ったんです。」

 

アレルギーは、ときに命にも関わる。卵や牛乳のアレルギーがあってもカレーパンを食べられるのは、とってもうれしいだろう。

 

国産・無添加の材料にこだわっているのも、安心して購入できるポイントだ。小麦だけでなく、パン粉も国産だという。

 

「カレーパンは油ものなので、少しでも身体にとって良いものを使いたいと考えています。うちは油も米油です。米油は酸化しづらく、油の臭いもほとんどしないんですよ。」

 

国産小麦、米油、そしてふんだんに使われた野菜や果物。健康に気を遣う人たちも、罪悪感なく食べられるカレーパンというわけだ。

 

これらレギュラーのカレーパンだけでも充分大満足なのだが、あおぞらカレーパンでは、さらに月替わりのカレーパンも用意されている。たとえば、どのようなパンがあるのだろうか。

 

「太めに切ったレンコンで、カレーを上下にはさんで揚げたパンです。昨年も好評だったので、今年も復活させました。カレーの具には、ぼんじりを使っているんですよ。」

 

ぼんじりは、鶏のしっぽの付け根や尾骨のあたりにある肉だ。脂が乗った希少部位で、好きな人も多いのではないだろうか。ぜひ毎年実施してほしい。

 

⑤稲沢のカレー文化を盛り上げていきたい

 

不破さんに、将来の展望を伺ってみた。

 

「稲沢市のご当地カレー文化を盛り上げて、浸透させていきたいと考えています。」

 

不破さんは、多忙な合間を縫って名古屋文理大学の学生とコラボしたり、稲沢市の稲沢カレーフェスに出店するなど、近隣地域との交流も積極的に行っている。

 

「もともと、一宮市のモーニングのように、稲沢市のご当地グルメをつくりたいという動きがありました。稲沢市には、オリエンタルカレーの本社があります。また稲沢市の祖父江は日本有数の銀杏の産地で、毎年、祖父江イチョウ黄葉祭りも開催されています。イチョウの黄色がカレーを連想させるということで、カレーが選ばれたんです。」

 

また、フードロス問題にも積極的に取り組んでいきたいと考えているという。

 

「フードロス解消のために通販もしているのですが、それでも、タイミングが合わず廃棄が出てしまうことがあるので、そこを何とかしたいと考えています。今後は子ども食堂のようなものも、チャレンジしていきたいですね。」

 

そんな不破さんが大事にしているものを、最後に伺ってみた。

 

「笑顔です。お客様がカレーパンを食べて、笑顔になるのを見るのが好きです。それに、自分も笑顔でいることを心がけています。地域柄かもしれませんが、当店のお客様には、自分が食べて美味しいと思ったものを、他の人にあげたいと考える人がたくさんいます。そのように思ってくださるお客様を、増やしていきたいと考えています。」

 

食べたら思わず笑顔がこぼれる、そして誰かに教えたくなるカレーパン。もし稲沢を訪れた際には、ぜひ食べてみてほしい。

 

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