幸せを運ぶカジュアルなイタリアン「ポルチェリーノ」を訪ねてみた。





ビルの8階にあり、青空や夜景を眺めながら肩ひじ張らずにイタリアンを楽しめるお店だ。イタリアンへの想いについて、ディレトーレ(店長)の春山 洸太(はるやま こうた)さんにお話をうかがった。
- 本格イタリアンを気負わずに楽しめるお店
- 幸せを呼ぶ子ブタと青い色が目印
- イタリアワインに日本酒も!充実したラインナップ
- 居酒屋感覚でイタリアンを楽しんでほしい
①本格イタリアンを気負わずに楽しめるお店
ポルチェリーノは、モーニング・ランチ・ディナーの三部制だ。定番メニューから季節限定メニューまで、さまざまなイタリアン料理を提供している。
イタリア産の食材だけでなく、国産の旬な素材も利用して素材本来の味を活かした料理にこだわっているのが特徴。料理はもちろん、ソースやドレッシングも春山さんの手作りだ。
パスタはトマトソース、オイルソース、クリームソース、ジェノベーゼソースなどのベースから選ぶことができる。特に生パスタを使用したメニューは、もちもちとした食感で人気を集めている。
冬場は温かいスープパスタで、ほっと一息つけるのもうれしい。ポルチェリーノのスープパスタは、じっくりと煮込まれた野菜の旨味が溶け込んでおり、満足感のある一品となっている。
自家製のドルチェは、ティラミスやパンナコッタ、季節のフルーツを使ったタルトなど、充実したラインナップとなっている。イタリアの修道院発祥の伝統菓子「スフォリアテッラ」など、日本では珍しいものもある。
美味しいお菓子があるだけで、会話がとても弾みそうだ。女子会やママ友の集まりに人気なのもうなずける。
ポルチェリーノは春山さんが一人で切り盛りしているお店であり、メニューは時季によって変わる。最新の情報はぜひInstagramでチェックしてほしい。Instagram限定のメニューなど、お得な情報も盛り沢山だ。
②幸せを呼ぶ子ブタと青い色が目印
ところで、ポルチェリーノというのはどのような意味なのだろうか?
「ポルチェリーノは、イタリア語で子ブタという意味です。イタリアでは、ブタは幸せを運んでくれる象徴なんですよ。フィレンツェの市場には、イノブタの像があります。それくらい、ブタは重宝されているんですよ。」
この像には、鼻をなでると幸せになれるという伝説があり、多くの観光客が訪れている。そしてこの像は「ポルチェリーノ」と呼ばれ、人々から親しまれているのだ。日本でいうと招き猫に近いかもしれない。
ポルチェリーノのお店のロゴは、天使を思わせる羽根が生えたかわいい子ブタだ。そして、子ブタの背景にある鮮やかなブルーが目を引く。
イタリアといえば、国旗にも使われているトマトの赤色や、バジルの緑色を想像する人が多いかもしれない。しかし実は、イタリアのナショナルカラーは青色であり、青色は幸運や繫栄の象徴とされているのだ。
たとえばサッカーのイタリア代表チームは、爽やかな青色のユニフォームを身にまとって勝負にのぞんでいる。地中海に囲まれたイタリアの人々にとって、澄んだ海を思わせる青は特別な色なのだ。
ポルチェリーノの内装も、海や空を思わせる青と、雲や波を思わせる白を貴重とした、清潔感のあるものとなっている。
さらにトイレには「トレビの泉」を覗ける窓が設置されている。
トレビの泉とは、ローマにあるバロック様式の巨大な噴水で、有数の観光名所だ。泉にコインを投げ入れると幸運が訪れるという話を、聞いたことがある人も多いだろう。
とにかく幸運づくしのパワースポットなのがポルチェリーノなのだ。

③イタリアワインに日本酒も!充実したラインナップ
ポルチェリーノでは、お酒も多種多様なものが取り揃えられている。ワインだけでなく、ビール、ウイスキー、そして日本酒まであるのだ。
「実はイタリアンには日本酒と相性が良いものが多いんですよ。日本人だから日本酒が口に合うという方もいます。ぜひイタリアンとのペアリングを体感してほしいですね。」
ポルチェリーノのメニューには海鮮を使ったものも多くあり、日本酒に合うものが多い。新しいイタリアンの楽しみ方に出会えそうだ。
また、ワインはもちろんイタリアンワインだ。ワインといえばフランスのイメージが強いが、イタリアもフランスに負けないワインの生産量を誇る。
たとえば「ファンティーニ・モンテプルチアーノ・ダブルッツォ」はイタリアの代表的な赤ワインで、トマトベースのパスタやグリルした肉類、熟成チーズなど、さまざまな料理と相性が良い。
「ルリ アッパッシーテ」は、プーリア州の温暖な気候で育ったブドウを使用したワインで、ジビエや濃い味付けの料理との相性が良く、強い風味を引き立てる。
イタリアンワインの中には、飲み放題で提供しているものもある。イタリアンワインを飲んだことがないという方は、試してみてはいかがだろうか。
ポルチェリーノに来たらぜひ飲んでみてほしいのが「ペローニ」だ。ペローニはイタリアを代表するビールブランドで、特に「ペローニ・ナストロ・アズーロ」というプレミアムラガーが有名だ。
ナストロ・アズーロは、イタリア語で青いリボンを意味する。爽やかでキリっとした味わいが特徴で、ほのかな甘み、控えめな苦みを感じられる。イタリアンとの相性は抜群で、オリーブオイルやトマトソース、シーフードの風味を、より一層引き立ててくれるのだ。
「ペローニは常温で、氷を入れて飲みます。キンキンにグラスを冷やして飲むのは日本独自なんですよ。」
ペローニがアサヒビールの傘下に入ったことで、日本でもペローニが手に入りやすくなったそうだ。ぜひポルチェリーノのイタリアンと合わせてイタリアの空気を感じてみてほしい。

④居酒屋感覚でイタリアンを楽しんでほしい
春山さんが料理の道を志したのは、小学校の頃だった。春山さんの叔父にあたる人が飲食業をやっていて、自分もやってみたいと感じたのだそうだ。
調理師専門学校を卒業後、最初はフレンチの修行をしていた春山さんだが、イタリアのライフスタイルに魅せられ、イタリア料理の道へと進んだ。
有名店で修行した後に独立し、2023年9月に満を持して開店したのがポルチェリーノなのだ。
「料理の世界でやっていくと決めたなら、一度独立した方がいいと思ったんです。僕はなんでも自分で決めて行動するのが得意なんです。もちろんリスクはありますが、自分がやりたいことをやりたいようにできるので楽しいですよ。」
そんな春山さんが大切にしているのは、カジュアルさだ。
「もっと日常に、バール(イタリアにある、エスプレッソやカプチーノをカウンターで立ち飲みするスタイルのカフェ)や居酒屋感覚で、みんなでワイワイ楽しく食べに来てほしいですね。」
ポルチェリーノは、店長の春山さんとの距離が近いのも特徴だ。メニューの中に食べられないものがある場合にも、相談すれば対応してくれるという。
「堅苦しいイメージにはしたくないですし、お客様が要望を言えるということもまた、気軽さの一つだと考えています。お客様に近づけるような接客を目指しています。」
イタリアンのメニューの中には、日本では聞き慣れないものがあるかもしれない。ぜひ気軽に尋ねてみてはいかがだろうか。
最後に春山さんに、将来の展望についてうかがってみた。
「イタリアンのキッチンカーを出すことです。イタリアはキッチンカーが多いんですよ。」
キッチンカーで本格的な料理を手軽に楽しむ、新しい外食スタイルが日常に定着しつつあるイタリア。レトロでおしゃれなキッチンカーが、ストリートを賑わせている。
旬の新鮮な食材を使用して、イタリアンのシェフが本場の味を手軽な価格で提供するのだ。食べ歩きができるような、片手で食べられるメニューが人気だ。
「キッチンカーでは、その場で材料をカットして串にさして焼き、塩とレモンで味付けして提供します。それをアペロールっていうカンパリに近いリキュールのソーダ割りを飲みながら、ストリートでフードを楽しむんです。そういった移動式の屋台を自分でもやりたいと考えています。」
キッチンカーからはシェフが調理する様子が見え、そこから溢れ出す香りやシズル感も魅力のひとつ。またキッチンカーのスタイルは、春山さんの理想である「イタリアンを日常で気楽に食べられる」イメージにも近い。
もちろんスタッフの採用など課題はあるが、愛知や岐阜のどこかの街で、ポルチェリーノの青いキッチンカーを見かける日は、そう遠くないかもしれない。
そしてそのキッチンカーは、多くの人にほっぺが落ちそうなほどの幸せの味を運んでくれることだろう。


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