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扶桑町

食を通じて心を整える料理教室「楽膳のある暮らし」を訪ねてみた。

食を通じて心を整える料理教室「楽膳のある暮らし」を訪ねてみた。
JESSE <small>ジェシー</small>
JESSE ジェシー
僕、料理覚えたいんだよね〜
MEI <small>メイ</small>
MEI メイ
素敵じゃない!私も最近料理を勉強しに行ってるのよ〜
JESSE <small>ジェシー</small>
JESSE ジェシー
料理教室ってこと?グループでやるんでしょ?砂糖と塩を間違えてみんなに迷惑かけてない?
MEI <small>メイ</small>
MEI メイ
そんなことしないわよ!ちょっと入れすぎちゃうくらいよ・・・
愛知県の扶桑エリアで活動している料理教室「楽膳(らくぜん)のある暮らし」をご存知だろうか。
和食をベースに、季節の行事を楽しみながら料理を学べる教室だ。代表の大西 かおりさんが大切にしているのは、単に料理の技術を教えることではなく、訪れた人が心を整え、笑顔で帰っていける場所をつくることだ。そんな大西さんに、料理教室を始めたきっかけや大切にしている価値観などを伺った。
今回のツムギポイント
  • 「楽しむ」と「整える」を大切にした料理教室
  • 年に6回の節会で日本の文化を伝える
  • 古民家の雰囲気を活かした特別な空間
  • 地域のつながりを生み出す場所
  • デーツスイーツで新たな挑戦へ

①「楽しむ」と「整える」を大切にした料理教室

 

「楽膳」という店名には、大西さんの深い想いが込められている。

 

「日々の暮らしの中で、女性がキッチンに立つ時間は自然と多くなりますよね。私自身も、「ママだからこうあるべき」「ちゃんとやらなきゃ」と知らず知らずのうちに自分を追い込んでしまい、家事や育児が少し苦しく感じていた時期がありました。それでも、家族のために作る手料理が、毎日の元気の源になり、笑顔につながっていると感じる瞬間があったんです。その気づきが、今の私の原点になっています。」

 

そう、過去を振り返る大西さん。しかし、手作りのご飯が家族の元気の源になり、笑顔を生み出すことも実感していた。

 

「だからこそ、無理をするのではなく、自分自身が楽しめる食事や、心に余白が生まれる調理、家事のあり方を大切にしたいと考えるようになりました。そのときの経験が、「楽膳」という考え方の原点になっています。「楽をする」というよりも、「楽しむ」こと。作る人も、食べる人も、どちらも笑顔になれる時間であってほしい。そんな想いを込めて、「楽膳」という名前をつけました。ここに来ることで、少しだけ自分の気持ちを整えて、また日常へと帰っていく。そんな、心の拠り所のような場所でありたいと思っています。」

 

和食をベースにした料理を通じて、季節を感じたり、行事を楽しんだりすることで、子どもの頃の思い出がふと蘇る。そんな体験を通して、心を整えてほしいという願いがあるのだ。

 

②年に6回の節会で日本の文化を伝える

 

楽膳の特徴の一つが、年に6回開催される「節会(せちえ)」だ。節会とは、「節句」や「節目」の「節」に「会う」という字を組み合わせた言葉。節句を祝うお祝いの会のことを指す。

 

「昔は節句ごとにおせち料理を作って、みんなで恵みに感謝してお祝いの食事をいただくという文化がありましたよね。それをちょっと現代風にアレンジしてやっています。」

 

1月7日の七草がゆに始まり、3月3日のひな祭り、5月5日の端午の節句、7月7日の七夕、9月9日の重陽の節句、この五節句に節分を加えて、節会を開いています。これらの節目に自然の恵みに感謝して料理を作り、味わう。

 

「このような節目に集い、日常から少し離れて季節と向き合い、自分自身を整え直す。そうした時間の中に、日本の文化が本来大切にしてきた感覚が息づいているように感じています。」

 

節会は単なる料理教室ではなく、日本の伝統文化を体験し、季節の移り変わりを感じる場にもなっている。参加者同士のコミュニケーションも生まれ、地域のつながりを作る役割も果たしているのだ。

 

③古民家の雰囲気を活かした特別な空間

 

楽膳の魅力は、料理だけではない。古民家を改装した空間そのものが、訪れる人を魅了している。

 

広い空間と古い建具を活かした設えは、日本の文化を学ぶ料理教室にぴったりの雰囲気。アイランドキッチンと昭和の趣を残す建具が調和し、どこか懐かしさを感じさせる空間が広がっている。

 

「この空間そのものや、和食に合うテーブルコーディネート、お家でも再現できそうな飾り方を気に入ってくださる方が多いですね。この世界観を体験したいと足を運んでくださる方もいらっしゃいます。」

 

実際、インスタグラムで楽膳を知り、県外から訪れる人もいるという。

 

「古い建具も、使えるものはできるだけ残しています。アンティークやレトロなものが好きで、そうしたものを日常の中にどう取り入れていけるかを考えるのが楽しいんです。」

 

料理のレシピだけでなく、この特別な空間で過ごす時間そのものが、楽膳ならではの魅力となっている。

 

④地域のつながりを生み出す場所

 

楽膳の料理教室は、他の教室とは少し違ったスタイルを取っている。

 

「教室では、私が調理をしながら進めていき、皆さんにはポイントを見て、感じてもらう形にしています。特別なことではなく、日々の暮らしの中で活かせることばかりなので、お家でもすぐに取り入れていただけます。ここでは、切ったり洗ったり、片付けに追われる必要はありません。少し立ち止まって、料理を楽しむ時間として過ごしてもらえたらうれしいです。」

 

料理が苦手な人にとって、人前で調理するのは緊張するもの。楽膳では、そんな心配をせずに、ゆっくりと料理を学べる環境が整っている。

 

「教室では、「ここでは見ているだけでも大丈夫ですよ」と、生徒さんにお伝えしています。料理の特徴や大切なポイントをしっかりお伝えして、「お家でゆっくりやってみてくださいね」というスタンスです。通ううちに慣れてきた方の中には、「一緒に作ってみたい」と声をかけてくださる方もいますので、その都度、その方に合わせて楽しんでもらえる形で進めています。」

 

参加者は30代後半から60代と幅広く、中には何年も通い続けている人もいる。口コミやインスタグラムで教室を知り、この空間での体験を求めて訪れるのだ。

 

「料理を教えるというよりは、料理を通じて、食をみんなでここで体験することで、自分をリセットしたり整えたりして、またお家に帰っていく。そんな感覚になってくださる方が多いんです。」

 

近隣の地域から通う人も多く、楽膳を通じて地域のつながりが生まれている。自宅でサロンを営む人や、お店を出している人など、様々な人が集まり、そこからコラボレーションでマルシェを開催するなど、新たな活動も生まれているという。

 

⑤デーツスイーツで新たな挑戦へ

 

現在、大西さんが力を入れているのが、デーツを使ったスイーツの開発と販売だ。デーツとは、中東原産のナツメヤシの実を乾燥させたドライフルーツ。濃厚な甘みと栄養価の高さが特徴だ。

 

「デーツは、「1粒で砂漠を半日歩ける」と言われるほど、栄養価の高い食材なんです。黒糖のようなコクのある甘さがあり、日本でいうと干し柿に近い味わいですね。

 

大西さんが作るのは、デーツに自家製のピーナッツバターとナッツを詰めたスイーツ。ピーナッツバターの塩気を強めにすることで、甘じょっぱい絶妙なバランスを生み出している。

 

「マルシェに出ると、ありがたいことに多くの方に喜んでいただいています。彩りを意識して、いろいろな具材を詰めながら、見た目も楽しんでもらえるようにしています。」

 

 

ただ、デーツスイーツを本格的に販売するには課題もある。自宅のキッチンは料理教室としては使えるが、製造販売の許可がないため、販売目的の製造ができないのだ。

 

「現在は、許可の取れているレンタルキッチンを探しながら製造していますが、そうした場所はまだ限られているのが現状です。だからこそ将来的には、自分たちの手で使える製造スペースを持てたらと考えています。」

 

大西さんの夢は、デーツスイーツを通じて、より多くの人に健康的な食の選択肢を提供すること。そして、古いものと新しいものを融合させた、独自の食の世界を広げていくことだ。

 

「古材やアンティーク、レトロな建物や食器が大好きなんです。そういう古いもの、眠っているものを、食卓でどう活かしていけるか。その良さを伝えていけたらと思っています。」

 

料理を通じて人々の心を整え、地域のつながりを生み出す「楽膳のある暮らし」。

 

心地よい空間と、季節を感じられるおいしいごはんが、きっとあなたの心も癒してくれるはずだ。

 

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